サミー・ネスティコと金管アンサンブル(その5)…「Ya Gotta Try」を金管8重奏にアレンジ

2021-03-09

その4で選んだ「Ya Gotta Try」を実際に金管8重奏(3Trp, Horn, 3Trb, Tuba)にアレンジしました。

「Ya Gotta Try」金管8重奏

原曲はこちらです。

「Ya Gotta Try」Count Basie

以下、アレンジの際に留意した点です。

(1) キー

 原曲はCで、転調はありません。

 原曲の1st Trpの最高音は一番最後の実音D。
 テーマ部分の最後の音が実音C。
 金管8重奏(3Trp, Horn, 3Trb, Tuba)でハーモニーを組み立てるにはは高過ぎるので、
 うまくサウンドするよう長3度下げ、キーをA♭に設定しました。

(2) Bass→Tubaの置き換え

 原曲は基本的にはずっと4分音符が続いていますが、Piano, Guitar, Drumsがいないとスカスカになってしまうので、適宜フレーズに動きをつけています。
 その際に、併せてブレスをとるスペースも作っておきます。
 また、Drumsがなくなるので、Drumsが担っていた、管楽器のアクセントに合わせたり、管楽器のアクセントを呼び込んだりする役割もTubaが変わって担えるようにフレーズを作ります。
 原曲のTenor Saxソロの後のTuttiの前半16小節を休みにし、後半16小節はリズムを刻まず、フレーズのアクセントに揃えつつ、隙間はFillのフレーズを入れました。

(3) アドリブソロ

 Tenor SaxのSoloの掛け合いを、3rd Trpと1st TrbのSoloの掛け合いに割り振り直しています。
 最後の方にある8小節のDrums Soloは、前半4小節はブレイクして1st Trb Solo、後半4小節はコードのサポートを伴いつつブレイクして3rd Trp Solo、にしています。
 フレーズは各楽器にあうように作り直し、アドリブソロのラインとベースラインの2声でなるべく成立するように、一旦は音符で書いています
 (コードネームは併記しています。)

(4) 曲全体の構成・オーケストレーション

 基本的に原曲の構成を崩さない方針ですが、手を入れた方が良いと思う箇所は必要最小限で改定します。

 ・イントロ
  テーマの出だしのオーケストレーションが薄くなりそうなので、
  曲の後半の盛り上がっている箇所をイントロに持ってくることにします。
  (実際に演奏する際には、曲の始まる前の状況にもよりますが、原曲のように薄いオーケストレーションでアドリブソロから入るのも良いと思います。)

 ・原曲のテーマ終わりからSoloが始まる間のセクション(Interlude?)
  上の原曲のYouTubeの動画であれば1:13〜1:31あたり。
  色々オーケストレーションが難しい箇所もあるので、思い切ってバッサリとカットします。
  (出版されているYa Gotta Tryのビッグバンドの楽譜もこのあたりはカットされていたような気がします。)

 ・Soloのバックグラウンド
  原曲のTenor Sax Soloのバックグラウンドはリズムセクションのみで管楽器は入っていませんが、
  Tubaのみではスカスカな感じがどうしてもしてしまったので、
  最初の1コーラスは管楽器でバックグラウンドのフレーズを少し足しています。

 ・Tutti
  前述の通り、Soloの掛け合いの後のTuttiは、リズムはブレイクして、前半16小節はTubaが休み。
  後半16小節はフレーズのアクセントを合わせて、リズムが復帰するのは後テーマ。

 ・後テーマ中のDrums Solo
  前述の通り、1st Trb Solo4小節+3rd Trp Solo4小節に置き換え。

 ・最後の音の直前
  「ブレイクしてPianoのフレーズ」というカウントベイシーの曲であれば定番の形ですが、
  ピアノがいないので、最後の音につながるコードを差し込んで対応しています。

…以上になります。

ここまでの作業で、Fast Tempoの曲もなんとか形になった(?)と思います。
更に速い曲の場合でも、アレンジの上でやれることはそれほどなく、純粋に奏者がどれだけ負荷に耐えられるかにかかっているように思います。

「Lonely Street」「Basie-Straight Ahead」「Ya Gotta Try」と3曲並べると、
「Lonely Street」と「Basie-Straight Ahead」の間のテンポの曲があると良さそうだな、
…ということで、
次にアレンジする曲として「By My Side」を選びました。