サミー・ネスティコと金管アンサンブル(その2)…ジャズを金管アンサンブルに編曲する際の課題

その1で触れたように、学生の頃から金管アンサンブルが大好きで、
いずれ「金管アンサンブルでジャズのアレンジ」を書きたいと思っていました。
それもビバップ以降のモダンなスタイルで。

実際に書くにあたって、私が難しいと感じていた点がいくつかありました。
まず、音を聴いて「あ、これはジャズだ」と思ってもらうためには、

(1) 和声
(2) リズム

の2点が「ジャズ」になっている必要があります。


(1) 和声
「ジャズ」に聴こえるようにするには、モダンジャズ以降のテンションを含む和声を組み立てる必要があります。
(ビバップ以前のスタイルは、私の苦手な領域なのでとりあえず置いておきます。)
…それもピアノやギターなどのコード楽器なしで。

これは、単純にコードを鳴らすのに必要なだけ編成を大きくすれば解決できます。
(バッハの無伴奏チェロ組曲のように和声を感じさせる良いラインが書ける。ということであればより小編成でも実現可能なのですが、やはり書き方がかなり限られますし、聴く側にもラインから和声を感じ取る力が求められますので、あまり現実的ではないでしょう。)

Trbのみ、もしくはTrbとTubaの編成であれば最低限4〜5パートあればなんとかなりそうです。

Trpも含む編成でコードを組み立てるとなると、各声部の音程が離れすぎるとサウンドしないので、
1st Trpが五線からちょっとはみ出す音域まで使い、最低音域にTubaを配置するとなると、8パートはあった方がよい気がします。

…ということで、「3Trps, Horn, 3Trbs, Tuba」の編成を想定します。
(例えば2Trp, Horn, Trb, Tubaなどのより小さい編成でも、対位法的なアプローチでジャズの和声を感じさせることはできそうな気がしますが、…私には荷が重く、上手く処理できなそうです。)


(2) リズム
「ジャズ」に聴こえるようにするには、ジャズのグルーブ感が出ていないといけないのですが、
ここはどうやったら良いのか、あまり答えが見えていません。

金管アンサンブルなので、大まかには、
「ビッグバンドの管楽器のようなTrp・Trb」
「ピアノレス・ドラムレスの編成で演奏しているベーシストのようなTuba」
というイメージで、更に、
コード楽器がなくてもハーモニーを捉えられるようにする必要最小限の音のサポート
を書き足すことが出来ればなんとかなりそうです。

となると、ネックになるのは、
ベースの役割を果たすTubaが、

どのぐらいの速いテンポまで演奏できるか?
どのぐらい休まず演奏できるか?
ハーモニーを感じさせるベースラインを組み立てられるか?

あたりになるでしょう。
(PJBEの「三匹の猫」のアレンジは、TubaだけでなくTrbにもベースラインを分担させることで上手く処理しています。ただ、それをSwingフィールの曲でも出来るかとなると…)



…このあたりまでは、学生の時にも考えていたんです。
実際、「The Chicken」「Liberty City」「Pipoca」「Wild Goose Chase」などをアレンジして演奏してみたりもしたのですが、そのあたりの曲はなんとか金管アンサンブルにアレンジできても、やはりSwingフィールの曲がしっくりこなかったんですよね。

結局、その解決策が見つからず、そのまま放置して先延ばししていました。


ですが、先日私が書いた「Lonely Street」を聴いて興味を持ってくださった方もいらしたので、
良い機会ですし、サミー・ネスティコさんの曲で何曲かアレンジに挑戦してみようと思いました。


…アレンジするのに一番問題の少ないバラードは書いたので、
問題の速いテンポのSwingをどのくらいのテンポまでなら書けそうなのか、挑戦してみることにしました。