編曲とは?(1)

先日、モヤッとする事もあって、「そもそも編曲とは?」なんてことを改めて考えてしまいました。

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編曲」とは、「素材となる曲を具体的にどう音にするか決める事」と言えると思います。
編曲の素材となる曲は既に作曲されている訳です。

そもそも、作曲する(=曲を作る)という事がどういう事なのか整理すると、

(1) メロディを作る。
(2) メロディ+コード進行を作る。
(3) 具体的にどう音にするか(編曲)まで全て作る。

という3つの段階があり、
(1)(2)(3)のいずれでも作曲したと言えると思います。

大まかには、ポピュラー音楽では(1)または(2)まで、クラシックでは(3)まで進める、という感じでしょうか。
(特に「メロディ+伴奏」というシンプルな形式でない曲は(3)の段階まで進めてやっと作曲が終わったことになります。)

編曲は作曲ではないので、最低限、編曲後も原曲と同じ曲だと分かる程度に何かの要素を残す必要があります。
(中には曲名を言われるまでその曲だと分からない編曲もありますが。)

残す要素としては、まずはメロディ。
メロディを完全な形で残す場合もあれば、そうでない場合もあります。
(特にジャズの世界ではメロディが全く残っていない編曲もありますが、
 コード進行を借用したオリジナル曲をオリジナルと言える以上、
 メロディが全く残っていない編曲は、実質的には作曲でしょう。)

曲によっては、基本となるコード進行や、原曲のアレンジに含まれているキメや対旋律も必要不可欠な(それが無いと同じ曲だと分からない)こともあるかもしれません。

「原曲のどこをどう変えるか(変えないか)判断する」ことが編曲者の仕事と言える訳ですが、
原曲として手元に準備している録音(または楽譜)が既に編曲者の手が入った曲だった場合、
その編曲者の手による仕事(イントロ・間奏・伴奏・コード進行など)を、
これから書こうとしている編曲にどの程度まで使って良いかは判断が難しいです。

(セロニアス・モンク作曲の「Round Midnight」をマイルス・デイビスが演奏した際に使われたインタルードのフレーズのように)
ある特定の曲の定番として他のアレンジでもよく使われているアイディアであったり、
(カウント・ベイシーが曲の最後に弾く定番フレーズのように)
曲を限定せず色々なアレンジでよく出てくるアイディアであれば問題ないですが、
そうではない場合は、
自分が編曲した作品として表に出して良い」ものか、慎重になってしまいます。

それもあって、私はアレンジをする際には、
「初演の録音」と「有名なアレンジの録音」をいくつか聴いておき、
どれが作曲者のアイディアで、どれが編曲者のアイディアで、どのアイディアが定番化していったのか、
など分析するようになりました。
(余分な情報を入れずに新鮮な状態でアレンジを書くことが出来ないのはデメリットなのですが。)

…ちょっと長くなってしまったので、
続き(トランスクリプションの話)はまた改めて書きます。

(続く)